火花

部屋に入ると、自分の着ている上着から冬っぽい匂いがした。   『文藝界 2015年2月号 火花』 51ページより

カメラマン

「カメラマンは感激を忘れてはいけない。 しかし、興奮してはだめだ。」   『岳人 2015年3月号』 71ページから

新・四字熟語

凄まじい喧嘩をしていたのに、 どちらか、或いは第三者が屁をこいてしまい、 どちらともなく笑ってしまい、気持ちが収まること。   又吉直樹著 「新・四字熟語」  44ページから

山を見るということは、

「山を見るということは、山と私の関係なんです。相対するということ。  山には何か隠されているものがあって、それを掘り起こして見つけて撮るんです」 白旗史郎   『岳人 2015年2月号』  52ページから

殉愛

「ぼくのことを知ってもらいたいからや。 いいところはあとからゆっくり見てもらったらええ。 だから、悪いところを先に言っておきたい」   百田直樹著『殉愛』 39ページから

女のいない男たち

「夢というのは必要に応じて貸し借りできるものなんだよ、きっと」   イエスタデイ 113ページより

東京百景

『個性』とは余分にある邪魔なものを隠して調節するものであり、 少ないものを絞りだしたり、無いものを造する事ではなかった。   32ページより

ご尤も。

この写真を「つまらない写真だ」と言った人間がいたが、 後に木村伊兵衛の作品だとわかると 手の平を反したように「名作だ」に変わっていた。 人は名前で動いちゃうんだよな。 なぎら健壱   『日本カメラ7月号』 74ページから

outing

自然保護を大きな声で訴えても、 人々が行動を始めることはない。 理由は簡単で、 自然の素晴らしさを知らないからだ。 ジョン・ミューア   『文藝春秋 2014年1月号』 220ページから

私はよく、何かが起こる前に猫に見つめられることがあった。   中村文則 『銃』  10ページより

シュガータイム

「あんな美しいまばたきをする子には、不似合よ」 と、わたしはつぶやいた。   『シュガータイム』  137ページから

葛飾に立石という町がある

本来の下町が下町色を失った今、 その風情を残している場所が 下町とは無縁であっても 下町とよばれるようになってしまった。 なぎら健壱   『日本カメラ 2013年12月号』 町の残像 110ページから