白い夏の墓標

「ウィルスは人間よりきれいだ」   帚木蓬生 『白い夏の墓標』  75ページより

第2図書係補佐

本の世界には自分と似たような奴が いっぱいおったんですよね。   又吉直樹 『第2図書係補佐』 234ページより

エーゲ海に捧ぐ

どこもかしこも汚いくせに、 目だけはいつも変にきれいだったわ。   池田満寿夫 『エーゲ海に捧ぐ』  22ページより

撮り手を鼓舞する写真機

実は6×7判の緊張感のないアスペクト比はいまも少し苦手だ。 赤城耕一   アサヒカメラ 2013年1月号 261ページより #なるほど。

「見る」と「視る」

気に入ると「見る」が「視る」になる。 じいっと凝視して「やっぱり凄い」となると ようやくカメラを向けて「どう撮ろうか」となる。   文藝春秋 2013年1月号 『土門拳 古い仏師の気持ち』 211ページより

海の物語

あばよというように姿をかくす、 そんなとき太陽は、まるでいたずらっ子のようだった。   灰谷健次郎 『海の物語』  51ページより

影法師

彦四郎はいかなることも、  たいして励むことなく易々とやっけのけます」 「たいして励みもせずにか・・・・。  もしかしたらその少年は、己のやりたいことが何もないのかもしれぬな」   『影法師』 157ページより

これはうまく撮れたと確信したときはいつも、 お得意のフレーズが口をついて出たという。 「うん、粋なものですよ」 木村伊兵衛   『文藝春秋 2012年12月号』  238ページより

雪国

「何となく好きで、その時は好きだとも言わなかった人の方が、 いつまでもなつかしいのね。忘れないのね。」   川端康成 雪国 20ページより

錨を上げよ

「結局、どんな成功者も個人として見た場合はそこに何の必然もない。  あるのはすべて全体としての必然でしかないんだ」   百田尚樹 『錨を上げよ』 下巻 58ページより

ボックス!

その世界を望まない者を、 そこに無理やり連れて行くことは出来ません。   百田尚樹 『ボックス!』 下巻 224ページより

かすてぃら

「世界で一番悲しいミュージカルはね主役が死ぬことですばい」   さだまさし 『かすてぃら』  218ページより